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~隼人視点~
「おい、花蓮ってば、機嫌直してよ」
俺はグイグイと先を行く花蓮の後を早足で追いかけていた
教室をでてから一言も口をきいていない
ま、なんとなく機嫌が悪い理由は分かるんだけど……
そのまま家の近所のスーパーまで着いてしまった
そこでやっと花蓮が立ち止まる
「……隼人、私がさっきみたいなタイプの人間が大嫌いなの、知ってるわよね?なのになぜ助けなかったのかしら?克明な説明を要求するわ」
やっとこっちを向いたと思ったら、恐ろしく不機嫌そうな顔だ
「いや、初対面だしな。仲良くなろうとしてるのかと思ってな」
一応言い訳を言う
本音?
もちろん面白そうだからほうっておいたに決まってる
「……本音が顔から丸わかりよ。明日から憂鬱だわ…隣の席だなんて……。なんでああも馴れ馴れしいのかしらね。特にこっちが興味も関心もないのにペラペラペラペラと話しかけて来て……うざったいったらありゃしないわ」
ここぞとばかりに不満をぶちまけたな、おい
「ま、ドンマイ。諦めるんだな。愚痴や文句くらいなら俺がいくらでも聞いてあげるから、機嫌直して」
「……うん。ありがとう」
素直になった花蓮という、とてもレアなものを見てしまった
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