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き、気まずい…
結局、レジまで無言で来てしまった
「4250円になります」
「はい」
丁度ぴったりの額を持っていたので払う
レジ袋に商品を詰めていると、
「……私もお金払うわよ」
花蓮が財布を出しながら言ってきた
まだ少し頬が赤いな
「いや、いいって。うちがわざわざ作ってもらうんだし。」
「お金の貸し借りはしっかりとしておきたいのだけれど……そこまでいうのなら、そうね、今度別の方法で支払おうかしら」
「別の方法?」
「ええ。私にできることなら、何か一つお願いをきいてあげる」
「そりゃ随分大盤振る舞いだな」
「まあね、今の私は機嫌がいいのよ」
確かに、神崎君に話しかけられてからよっていた眉間のしわも元に戻り、柔らかな表情になっていた
「そっか。ならなんか思いついた時に言うよ。」
「ええ、待ってるわ」
レジ袋を手にぶら下げながらスーパーを出て、二人で俺の家までの道を歩いた
スーパーから家まで徒歩で五分くらい
他愛のないような雑談をしながら歩いているとすぐに着いた
鍵を開けて中に入る
「ただいま、早希いるかー?」
「お邪魔します」
俺に続いて花蓮も家に入った
「おかえり、兄ちゃん!あれ、花蓮姉ちゃんもいる!!どしたの?」
「今日遥さんいないのでしょう?夕飯を作ってあげようと思って」
「ほんとに!?よっしゃあ!」
産まれた時からそばに花蓮がいたせいか、早希は花蓮を実の姉のように慕い、花蓮も実の妹のように接している
冷蔵庫に買ってきたものをしまい、時計を見ると時刻は6時半を示していた
「そろそろ準備するわ」
「うん、よろしく。俺も何か手伝おうか?」
「いえ、大丈夫よ。テレビでも見ていてちょうだい」
「りょーかい」
じゃ、お言葉に甘えますかね
俺はリビングのソファに座ると、テレビをつけた
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