日本最強の重みとは

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ピンポーン 「お、豪太さん達が来たみたいだぞ」 見るともなしにテレビを見ていると、いつのまにか時間がたっていた 「開けてくれるかしら、今手が離せないの」 「もちろん」 玄関に向かい、ドアを開ける そこに立っていたのは…… 一瞬熊と見間違うような巨体 ど迫力な身体の持ち主だった 「久しぶりだな、隼人!お言葉に甘えてご馳走になりに来たぞ!」 「はい、お久しぶりです、豪太さん。ご馳走するといっても作ってるのは花蓮なんですけどね」 彼こそが御手洗 豪太(みてあらい ごうた)さん 前述したとおり凶悪な体型をしているが、笑顔がチャーミングで憎めない人だ ただ、花蓮とは似ても似つかない だから 「こんばんは、隼人君。お邪魔するわね」 「はい、ゆっくりしていって下さい、礼奈さん」 花蓮はお母さんに似たんだろう 花蓮のお母さん、御手洗 礼奈(れな)さんは、花蓮がこのまま成長したらこうなるんじゃないか、というくらいの美人だった 触れれば折れそうな、細い体、少しきつめな印象を与える花蓮とは反対に、優しげな印象を与える人だ なぜこの二人が結婚できたのか、俺と花蓮の間では永遠の謎だ 愛は種族を超えるのか 豪太さんと礼奈さんをリビングに通すと、花蓮と早希が料理をテーブルに並べているところだった 「あら、来たのね、父さん、母さん。」 「おう、こりゃあ旨そうだな」 「花蓮ちゃんは日に日に料理が上手くなるわねえ」 「練習しているもの」 おお、親子の会話だ 何か新鮮だな 「おっちゃん、礼奈ちゃん、こんばんは!!」 「おう、早希か!でかくなったな!」 「こんばんは、早希ちゃん」 勿論二人とも、早希を産まれた時から知っている 家を空けがちな両親に変わって、よく面倒をみていてくれた そのおかげか、早希も第二の両親のように慕っている ……うちの家族って半分くらい御手洗家に吸収されてないか?
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