985人が本棚に入れています
本棚に追加
朝の恒例行事を終えた俺は、今度こそ一階におりて洗面所に向かう
顔を洗い、寝癖を直しながら自分の顔を眺める
うん、ま、いつも通りだな
無造作に切られた黒髪
友人曰く、なかなかに整った顔立ち
そしてそれを打ち消して余りある、ひどい目つき
目つき、というには少し語弊があるか
これまた友人曰く、魚が死んだような目をしている
腐ってるって意味じゃないぞ?
見たことがある人は分かるかもしれないが、実は死んだ魚の目は透き通っている
そこに一切の生気が感じられず、無機物であるというだけでな
つまりは、そんな目なわけだ
いつものことなので諦めてリビングに行くと、テーブルの上にはトーストとスクランブルエッグ、ハムという洋風な朝食が並んでいた
実はこれ、さっきのアホな妹が作ったものだったりする
食事を作れる、という点においてだけは、俺は妹に頭が上がらない
俺は椅子に座ると、早希が俺の部屋からおりて来るのを待った
最初のコメントを投稿しよう!