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首を傾げている早希は放っておいて、朝食を食べ終わる
ゆっくりと諸々の支度を終え、制服に着替えて玄関に向かう頃には7時半になっていた
確か、入学式の受付時間は10時からだったはずだ
まだまだ余裕がある
時計を確認した俺は、リビングに置いてあるソファーに座り、読書をすることにした
のだが……
「なぜお前がまだいる、早希」
「えー、だってあたしも兄ちゃんの入学式に出席するもん!」
「は?馬鹿を言ってないで早く支度をしてきな」
俺が相手にしないと、早希はパジャマのポケットからメモらしきものを取り出した
「ほい、お母さんから」
うげ…
嫌々目を通すと、忙しくて入学式に出席できないので早希に写真の撮影などを頼んだことが簡潔に書かれていた
母親が出席できないのはいつものことなので気にもならないが、なぜ早希に頼んだ…
こいつの成績を知らんのか
俺が渋い顔でメモを返すと、
「じゃ、そーゆうことだから!…合法的に学校サボれるなんて、オーハッピーデ~」
などと鼻歌を歌いながらどこかに行ってしまった
あいつに受験生としての自覚は…あるわけないですね
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