Chapter 2

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目の前の壁がドアへと変わり、無機質だった部屋は心なしか歪んだあと、一気に一般的な小屋へとその外観を変えた。 内部は相変わらず一部屋だけである。 「これでダンジョンとして機能するようになったのですか?」 「うむ。確かにダンジョンとして解放されたが、まだ、何も用意できていないではないか。大丈夫なのか?」 「トラップは?モンスターは?フロア作成は?今侵入者が現れたらいったいどうするつもりだ?」 アルの疑問は最もだと思いながら、余裕の笑みを漏らす。 「アルを倒さないと、私への攻撃は通らないのではないですか?」 君からアルへと呼称が変わったことに多少気恥ずかしさを感じながら、アルはハッとした表情を作る。 「! なるほど。 確かにその通りだが、このようなダンジョン前代未聞であろうな。 ん。ダンジョン早期解放ボーナスで1000ポイント獲得したようだ。」 「では、小屋をお洒落に、かつ、ダンジョンらしく変更。予算は800ポイント以内で。承認。」 抽象的な注文にも、あまりアルが動じなくなっていますね。 少しだけ残念ですが、適応能力が高いのは良いことです。 小屋が蠢いたかと思うと、凄い勢いで外観が古城へと変貌を遂げた。
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