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「さあ、そろそろ出発しますよ。またゆっくりお茶しましょうね。」
次の約束を取り付けることで、いくらかは不満を軽減できたようで、ホッと胸を撫で下ろす。
今度は肩を並べて歩き出した。
力に魅了された私は、暇を見つけては伝記を読み漁り、過去のダンジョンマスター達の共通点、すなわち、資格と考えられるものに行き着いた。
それは、力を欲する、壮絶な強度をもった理由の存在だった。
「ほら、あそこに街並みが見えてきましたよ。もう少しで着きますね。」
「うむ!」
理由については、破壊衝動だろうと、支配欲だろうと、関係はなさそうだった。
強い執着をもった者だけがダンジョンマスターに成れる。
それが真実かはわからないが、私の存在が答えの一つだろう。
そんな私の理由、それは、過去の自分が目を背けて、知らぬふりをしていた、あらゆる不正への憎悪とも取れる程に強靭な、粛清欲だった。
決して偽善ではない、独善。
「綺麗な街ですね。アル、少し、掃除を手伝ってもらえませんか?」
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