690人が本棚に入れています
本棚に追加
口をナプキンで丁寧に拭き、会計を済ませてから、満足そうなアルを連れて中央通りを少しぶらつく。
賑やかな市場から、歓楽街へと続く道を見つけ、そちらへと歩みを進めていく。
次第に増えていく、裏の顔を持つ者達。
彼等は本当に、幸せなんでしょうか。
一度、確認してみたかったんですよね。
「マスター。なんだかすごく視線を感じるんだが。何故、手を出しては来ないのだろうか。」
「そうですね。恐らくアルの立ち振舞いが、しっかりとしているからでしょう。」
さて、ここら辺りで、真意を問答できる方とゆっくりお話ししたいものですね。
「アル、そこのお店に入ってみましょうか。自衛は歓迎ですが、先制はいけませんよ。」
「それはわかったが、なんだ、この店は。まるで女性が商品のように扱われている。」
男性の欲望を一心に受け止めている彼女達の主張を、同情など抜きにして、聞いてみたかった。
過去の自分では、決して対峙出来なかったが、今の私には、それが出来る。
最初のコメントを投稿しよう!