Chapter 4

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口をナプキンで丁寧に拭き、会計を済ませてから、満足そうなアルを連れて中央通りを少しぶらつく。 賑やかな市場から、歓楽街へと続く道を見つけ、そちらへと歩みを進めていく。 次第に増えていく、裏の顔を持つ者達。 彼等は本当に、幸せなんでしょうか。 一度、確認してみたかったんですよね。 「マスター。なんだかすごく視線を感じるんだが。何故、手を出しては来ないのだろうか。」 「そうですね。恐らくアルの立ち振舞いが、しっかりとしているからでしょう。」 さて、ここら辺りで、真意を問答できる方とゆっくりお話ししたいものですね。 「アル、そこのお店に入ってみましょうか。自衛は歓迎ですが、先制はいけませんよ。」 「それはわかったが、なんだ、この店は。まるで女性が商品のように扱われている。」 男性の欲望を一心に受け止めている彼女達の主張を、同情など抜きにして、聞いてみたかった。 過去の自分では、決して対峙出来なかったが、今の私には、それが出来る。
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