Chapter 1

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ダンジョンコアが人型への変位を無事に終えたようで、ひとまず安心する。 「私の名前はベル。ベル=ラザリア。ダンジョンコアよ、君に名前はあるのですか?」 「いや、特にない。」 「ふむ。では君は、アル=ラザリアと名乗るようにしなさい。これからゆっくりと、私との生活に慣れてくれれば嬉しいですね。」 「わかった。私の名をアル=ラザリアとし、マスターと生活を共にしよう。」 ふむ。少し堅苦しいところもありますが、なかなかに凛々しくて、頼りになりそうですね。 「マスターはなぜこのような状況におかれて全く動揺しないのだ?」 「それはですね、今の状況こそが私の夢だったからですよ。嬉しい気持ちが溢れてきて、想像よりも、ずっと私にとって素晴らしい状況に、感謝こそすれ、動揺などしている時間はありません。」 「早速ですが、いくつか貴女に質問したいのですが、差し障りありませんか?」 「あまり答えになっていない気がするが、分かった。何なりと質問してくれ。」
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