0人が本棚に入れています
本棚に追加
それからお互い、何も話さずに山を降りて、
彼女の道案内で家まで送り届けた。
「確か、ここの近くに友達の家があったな…」
素直に驚いた、世界が狭いことに。
まぁ、世界が狭いというより、この町が狭いのだけれど。
「そうなんだ、なら中学は一緒だろうね、その人と。」
「女の子だから、友達だったりしてな」
「アハハ ありえるかも」
「そういえば、高校どこなんだ?」
「星稜高校よ」
「…僕も…」
「え?」
「僕も…星稜高校…」
「ウソ~~~!」
世界は…いや、この町はホントに狭いなと、このとき実感した。
まぁ、全部で5クラスあって、このあたりのやつはほとんど星稜高校か、美濃山高校だったので、
よくよく考えたら可能性はかなり高かったのだけれど。
「学年とクラスは?私3年2組」
「あぁ、離れているな、僕は3年7組だ。」
「そっかぁ~残念。」
「だな、じゃあ俺もう行くわ。」
「うん、ありがとう、また学校でね」
「おう」
そう言って俺はバイクを走らせた。
サイドミラーで彼女が手を振っているのを、確認しながら…
最初のコメントを投稿しよう!