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それからはとりとめのない話をした。
彼女がキレイな空を見上げるのが好きとか、
先を越されたのは、仮眠を取っていて、寝坊したとか、そんな話。
そういえばこの子、一人で来たのか?
女の子が一人で夜中に出歩くというのは、危ない気がするので質問してみた。
「ここまで一人で来たのか?」
「うん、一人だよ~。エヘヘ」
なぜかはにかんで答えられた。
訳が分からない…でも、結構カワイイ。
「女の子が夜中に一人で出歩くのは…ちょっと危ない気がするな」
今の僕、ちょっとかっこいい気がする!!
なんかものすごく紳士っぽい気がする!!
「多分、大丈夫だよ、大阪じゃあるまいし…」
「絶対大阪に偏見持ってるだろ!!」
そりゃ確かに大阪はひったくりとかの犯罪数が全国1位だというけども…
「場所がどこでも危ないって。」
「分かった、じゃあ、もうここに来るの、やめる。」
「え?なんで?友達とか連れてくればいいじゃないか。」
「友達には、その…反対されたんだ、天体観測に来るの。『危ないと思う』って。」
「そっか…残念だな。」
なんてしっかりした友達なんだと心の中で感心する。
「じゃあ天体望遠鏡、貸してやるよ。
そのかわり、今日だけだからな、もう一人で夜遅くに出歩くなよ。
あとこの本を見れば、夏の星座とか、惑星のこと、だいたい分かるから。」
本と天体望遠鏡を渡すと、彼女はものすごくうれしそうに笑った。
カワイイ笑顔だと思ったけど、それ以上に、彼女の笑顔は儚げだった…。
儚げで、綺麗だった。
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