夏の思い出①

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「あ、ありがとう…なんか、執事みたい」 「メェ~~~」 「それはひつじ」 「ザンギリ頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」 「それは明治、次はもうツッコまないわよ、眠たいし… あ、これおいしい!!このサンドイッチ自分で作ったの!?」 「あぁーまぁ、うん…一応」 夏休みはやっぱり遊びに行きたいから、 お金をなるべく使いたくなかったというのが本音で、 普段はコンビニで適当に買っていた。ホント、今日は運がいい。 「さ、それ食べたら早く帰ろうぜ、僕も眠いからな。 早川さん、ここまでどうやって来たんだ?」 「ここまでは徒歩で来たわ、ここまでだいたい1時間半くらいかかったかな。 ま、ちょうどいい散歩ね。」 いや、普通に危ないと思うぞ、夜中に出歩くのは。 「僕、こう見えてもバイクの免許持ってるんだ、後ろに乗せてやるよ。」 ちなみに免許取得禁止という校則はあるらしいのだが、黙認されていた。 田舎だからなのか、そんな小さなことをグチグチいう大人はいない。 事故を起こせばさすがに問題になるだろうけど、 そもそも乗り物の交通量が少ないほどの田舎なのだ、事故なんか滅多に起こらない。 「ありがとう。じゃ、甘えさせてもらおうかな。」 カワイイ女の子を後ろに乗せて、バイクを走らせる…男の浪漫だな。
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