*+.いち.+*

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それから好きな人云々というとても大きな課題を抱えつつも、時間帯のせいか人も少なかったため、私は存分に望月さんを堪能した。 今学校で流行ってることとか、望月さんの学生生活とか。和気藹々と話していた。の、だけれど。 私の後ろで来客を知らせる鐘がカラン、と小気味いい音で鳴る。そちらに視線をやっていらっしゃいませ、という望月さん。その顔が、はっとしたようなものになり、それからいきなり乙女のようなものになった。 「勉さん!」 そう声をあげ、今まで目の前にあった温もりの塊のようなものが、ふっと消える。驚いたけど…意外と冷静に、ゆっくりと後ろを振り向けた。 「透、接客中じゃなかったのか?」 振り向いた先には勉さん、とやらに見たこともないような、花が綻んだような可愛らしい笑顔でとても嬉しそうに話し掛ける望月さんと、こちらをちらりと見たあとにそう問いかける、とても綺麗な男の人。 ううん、綺麗っていうか、イケメン?綺麗系イケメン?目元がとても涼しげだわ。 きっと、この人が望月さんの好きな人なのだろう。 .
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