*+.いち.+*

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そしてまあ、今現在、カフェの前に立っているわけなのですが。 なんで入らないのかって?そりゃあ、そりゃあ!だって恥ずかしいもの! 勇気がいるんだもの! 「あら?千尋ちゃん今日もいらしてくれたの?」 「うぎゃあ!?」 びっくうっ …うぎゃあって。うぎゃあって。ないわー…。 もっと可愛らしいさー、私だって女の子ですよ?きゃあっとか、さ…。 なんて現実逃避もしたくなる。だって声をかけてくれたのは、間違いなく、望月さんなんですもの。 「…ふふっ、ごめんなさいね?びっくりさせちゃったかしら。」 「あ、いえ、全然、そのっ」 ああ、今真っ赤だわ、私。望月さんに笑われてしまったわ…でも望月さん可愛い!望月さんラブ! 「そんなところにたってないで、入ってらっしゃいな。今日はケーキを作ってみたの。是非是非、女の子の千尋ちゃんに食べてほしくって!」 あぁあ、癒される、この笑顔が大好きだ。 「どうぞ、召し上がれ」 「い、いただきます。」 美味しそうな、綺麗なオレンジ色の…多分、カボチャのケーキをひとくち。あ、おいしい。 もくもくと食べていればとても機嫌のよさそうな、ニコニコ顔の望月さんに、なにかいいことあったんですか?ってつい聞いてしまった。 「えっ?あ、や、やだ、ワタシったら、そんなわかりやすいかしら?」 やだやだ、といいながら赤いほっぺ隠すみたいに顔を覆い隠す様は、とても可愛い。 私が男ならおいしくいただいて…ゲフン。
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