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中学三年の高校合格発表の日、掲示板を見て泣き崩れていた。受験に落ちていたからだ。県内で有名な公立高校とは言え、学年では上位をキープしていたため、ショックも大きかった。一番気に入らないのが、自分よりも頭が良くない奴が受かっていた事だ。やり場のない怒りが込み上げてくる。不合格者登校日には、今まで勉強してこなかった連中がいた。
「おまえも、落ちたのか、まぁ私立でも頑張ろうぜ。」
正直悪夢だった、なぜ三年間頑張った俺がバカな連中レベルの高校に行かなきゃいけないんだ。そう感じた。それに、校門を出る間際に、合格者どもが歩いてて、驚愕した顔で俺に言ってきた。
「おまえ落ちたのか。俺そこまで勉強してないのに受かったわー、なんか申し訳ない。まぁ私立でも頑張ってくれよ」
と、面白い物を見たかのような顔をして言った。一番ショックだったのが、親の励ましだった。口ぐちに、
「大丈夫!高校で頑張ればいいじゃない。」
「渚は頑張ったから、きっと高校で芽が出るわよ。」
と一生懸命に励ましてきた。しかしその時の俺はなにもかもが不愉快だった。なので、母親の言っている事も悪口や軽蔑した言葉と思い、僕は、
「うるさい・・・黙れ、消えろ、消えろ、消えろ!」
自分でも分かっていた。言ってはいけない事を言った。だけれど、その時は自分自身の心身をコントロールできなかった。やがて親が、息子の事を君付けで読んでくるようになった。負け組、負け組、負け組。死んだら楽になれるのかな、そぅいった事を考える生活が続いた。私立高校には受かっていたものの、行く気がしなかった。理由は簡単だ。
「今さら頑張っても無駄な労力」
それに、学校の教師からも、
「将来は行く高校で決まる。」
と、言い聞かせられていたからだ。そういった事を考えていると、親が部屋のドアを開けて、こういった、
「渚君、学校には行かないの?もう一か月は行ってないようだけど・・・学校に行かない?」
と、あわれんだ顔で言ってきた。俺だって今頃、受かって充実した生活を送っていたはずなのに、また、やり場のない怒りが込み上げてくる、気がつくと、親の顔を殴っていた。
顔からは血が出ていた。ふとなぜ殴ったのか、自分のストレスを親にぶつけたかったのか。自分でも、なぜ殴ったのか分からない。謝らないと、、、まずそれからだ。
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