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午前0時をまわり、外の雨はいつの間にかあがっていた。
「何から何まで、ありがとうございました。」
食事を終え、着替えも済んだフランケンが、頭を下げる。
声だけだと好青年なんだが、いかんせん包帯の下の顔は見えない。
「琴子さんがいてくれてよかったなー。」
木戸が言うと、琴子さんはケラケラ笑った。
「やぁねえ。こんなの、大したことないわよ。」
「いえ、本当に・・・助かりました。」
フランケンは、今度は琴子さんに頭を下げた。
カウンターの奥の吸血鬼だけが、会話に入らずむすっとしている。
いつまでへそを曲げてるんだか。
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