三夜

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「ええと、その・・・お代なんですが・・・」 フランケンがごそごそと取り出したのは、いつの時代のどこの国のものかわからない紙幣数枚。 「日本円でなければ、俺も価値がわかりませんので、お客さんのいいと思った額で結構ですよ。ここは、気さくに利用していただける居酒屋にすぎませんし。」 お金は、どんなものでもレジのつくも神のレジ子さんが円に替えてくれる。 「えーと、包帯の分のお金と、乾かしてもらった分も・・・」 「お召し上がりになった分だけで結構です。それより、どうぞまたいらしてください。」 「・・・っ、はい!!」 俺の店は、良心的なのも売りだしな。 それで客がつかめるなら、別にいい。 まあ、もうちょっと人間率が高くなってくれると嬉しいんだが。
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