三夜

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頭はふわふわしている感じ。 体は、逆に力が入らずにまだ立てない感じ。 しまった、実はたんに気が張っていただけか、俺。 感電はするわ、死人の腕を見るわ、その腕をぶすぶす縫うのを見るわ、意外とショックだったんだな。 「人間は、これでいいのか。」 ミハイが、コップに水を入れて持ってきた。 正解です。 「すみません、ミハイさん。ご迷惑をおかけしました。」 情けないことこの上ないな、俺は。 せめてもの救いは、琴子さんやフランケンシュタインの前で悲鳴を上げたりぶっ倒れたりしなかったことだ。 お客さんにそんな失礼なまねはできない。 って、こいつもお客さんだった。
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