二十七夜

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手をぎゅっと握ってから、戸を開ける。 外に何もいないことを確かめ、深呼吸を1回・・・2回・・・ よし、行ける! 店を開けると決めたんだから、しっかりしないと。 俺は、商店街に向かった。 結局ロキが何か仕掛けてくることはなく、無事に店に帰り着き、ほっとする。 下拵えをして付きだしを用意する頃には、気持ちも落ち着いた。 「入るぞ。」 開店時間より30分も早く現れたのは、ミハイさん。 「何もなかったな。」 「はい。おかげさまで。」 開店前にもかかわらず、さっさといつもの指定席に座る。 そして、開店時間とともに珠美さんと木戸も来店。 「何でこいつが先にいるんだよ!」 そりゃ、フライングしたからだ。
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