十二夜

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料理の下拵えの前に、戸に付いたガムの始末をする。 ちょっとでもネバネバを残しておいたら、お客さんに申し訳ない。 丹念に掃除していると、顔のあたりをキラキラした影が飛び回った。 ・・・妖精? 最近、はっきり見ることが少なくなったけど、これは間違いなく妖精だ。 でも、何故今? ほとんどは自宅でしか見ないし、花がある時に出てきやすい。 その妖精は、視認できないくらいの動きをしながらも、時々俺の顔を掠めながら何かを訴えているみたいに飛び続けた。 「どうした?俺に用事?」
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