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店を開ける時間になって、ヤタの羽音がする。
俺は暖簾を手に取って・・・もう一回それを置いた。
開けていいんだろうか。
ワインをダメにしたから、ミハイさんには何も出せない。
料理の味も今一つだから、ちゃんとしたものも出せないかもしれない。
店を開いてから、こんなに落ち込んだのは初めてで。
俺は、暖簾をまた持ち、でも外に掛けにいけずに逡巡した。
店の中は、こんなにピカピカなのに。
ああ、もう・・・今日の俺はなんて情けないんだ・・・
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