十二夜

8/36
前へ
/1370ページ
次へ
表でヤタが、 「泉実ー!時間過ぎてるぞー!暖簾掛けろー!」 と、騒いでいる。 ・・・ヤタに相談しても、きっと答えてくれないんだろうな。 でも、とりあえず暖簾を持ってのろのろと戸を開けると。 「泉実?」 よりにもよって、開店と同時にミハイさんが来た! どうしよう! 俺は、暖簾を持ったまま固まってしまった。 今夜は来てほしくなかった。 他の客以上に、この人に出せるものが何一つない。
/1370ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60933人が本棚に入れています
本棚に追加