二分の一夜

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「私の術にかからん人間は、貴様が初めてだ。」 今度は、真剣な表情で俺をまじまじと見つめてくる。 なんなんだ、こいつ。 「ふむ・・・よく見れば、外見も悪くない。性格もよい。しかも、私の術にかからんところが実によい。」 これは誉めてるんですか? 「人間。やはり私は無礼だったな。もう一度名を教えろ。これからは、名で呼ぶ。」 ・・・覚えてなかったんですね。 てか、興味なかったんだな、俺の名前なんか。 「烏丸泉実です。」 「そういえば、あの駄犬が『泉実さん』と呼んでおったな。では、私もこれからは泉実と呼ぶぞ。」 好きに呼んでいいから、おまえも名乗れ。
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