二分の一夜

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吸血鬼の思考は、その後も謎だらけだったが、この時が一番よくわからなかった。 俺のどの辺を気に入ったのかわからないが、次の晩から3日とあけずに通ってくるようになった。 そして、カウンターの奥の席に座って、ことあるごとに求婚してくる。 それを見て驚愕した木戸と、またしても一触即発の事態になりかけたが。 ああ・・・過去に戻れるタイムマシンがあったら、昔の俺に言ってやりたい。 吸血鬼にかまうな、なつかれるからって。 烏丸泉実、一生の不覚、とも思えるような、開店当初の出来事。 過去の本日、これにて閉店。
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