三夜

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「お兄さん、これ飲みやすいわよ。どう?1杯。」 琴子さんが、冷やを勧める。 「水?」 「日本酒よお。知らないの?」 まあ、フランケンだから、知らなくても不思議じゃないよな。 俺がお猪口を渡すと、琴子さんが酌をした。 フランケン包帯男は、匂いを嗅ぎ、一口飲む。 そして、ちょっと悲しそうな顔。 「たぶん・・・美味しいんだと思います。」 たぶん? 「味覚・・・あんまりないんです。きっと、合成に失敗してるんだと思います、この体。」 そりゃ不憫だ。
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