三夜

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「味音痴か。情けない。」 やめろ、吸血鬼。 あんたも大概だろうが。 わかるのは血の味と、フルボディの赤ワインのみだろ。 フランケンは、普通に飲み食いできるのに、味がよく感じられないらしい。 「すみません・・・」 「お気になさらず。こちらこそ、満足できるものをお出しできないかもしれませんが、まあ食べていってください。」 琴子さんにお冷やの追加、狼男に肉の追加、そしてフランケンには。 「少し味を濃くしてみました。麻婆茄子定食です。ご飯と汁物は、琴子さんにお出ししたのと同じカニ飯とつみれ汁。香の物は、ちょいと漬かりすぎた糠漬けと梅干しで。」 この梅干しも祖母ちゃん直伝で、すっぱいんだ、これが! しかも、大粒!赤紫蘇たっぷり!
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