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「おーい、啓太~」
聞き覚えのある声が聞こえた気がしたが……。
→1 限界まで無視しよう。
2 振り向く。
「おーい?おーい!たくっ、先行くなんてひでぇーじゃんかよぉ」
「ん?あぁー。ワリーワリー」
ちっ、捕まったか……。
面倒だが説明しよう。
この茶髪でいかにもチャラそうな男の名は、霧夜 遼(きりや りょう)。幼馴染みの腐れ縁で、一応親友だ。
「おっ、あれ雪本愛唯じゃん!!声かけろよケイタ、つか、俺が声かけよっかな~」
遼は雪本を見るや目を輝かせ、俺の肩をバシバシと叩く。
イテェからやめろ!!
「やめとけ、やめとけ。あと俺は二次元美少女にしか興味ねぇよ」
そう吐き捨てると、遼は「はぁ~」と大きくため息をついた。
「……全く、お前顔は悪くないのに、どうしてそう残念なんだ。彼女とか欲しくないわけ?」
「別に、欲しくない訳じゃないけど……今はそういうのいいんだよ、面倒くさいし」
俺は適当にそう言うと、反対側の横断歩道で立ち止まっている少女に目を向ける。
さっきから、何をそんなに真剣に読んでいるんだろう?
小説……かな?
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