1 君と出会った一日目

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アレ、私すごくピンチじゃないのコレ? 私って不憫だわー、ピンチに参上したヒーローは見るも無残に殺されましたとか子供泣くよ。 ヒーローもののアニメみてる子供が泣くよ。チェーンソーで切断されて死ぬとか親御さんから苦情くるよ。 そういえばR指定のつくグロテスクなゲームでゲームが下手くそな私はよくチェーンソーで首を掻っ切られて死んでいたななんて思い出した。 まさか生きるのが下手くそだったらチェーンソーで首掻っ切られて死ぬとか。リアル人生ゲームね、笑えないわ。 そんな風に思考を張巡らせている間にもチェーンソーは私の首に近づいて……こないわけで、私は目の前にいる多分男、名前はわからないので彼とでもいっておこう、彼が何をしたいのかわからなかった、わかった時点で私はもう駄目だと思う。 私は意を決して彼に話しかけてみようと思う、だってこれ死亡フラグもうたっているでしょう?きっと。 「あの」 返事はない、ただの屍のようだ。じゃなくて私が屍になりそうだの間違えだ。 ガガガガガと煩わしいチェーンソーが出す騒音のせいで聞こえていないのかもしれない、そう思って今度は先ほどよりも大きな声で「あの」と彼に言った。 「……」 その結果、彼は無言で私の前にチェーンソーを向けているではないか。自ら死亡フラグを私は回収しに逝ったらしい。字が間違ってるって?これで正しいよもう。 本当に私は首を掻っ切られて死ぬのね、ヒーロー惨殺されちゃいますごめんねヒーローもののアニメみてる子供達よ。
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