1 君と出会った一日目

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私はそんな腐れ縁のアイツがいつも言うあの言葉を言われたときと同じような感情が今渦巻いているのに気づいたのだ。 怒りだとか憎しみだとかそういうドス黒いものに分類される感情。私にはとても綺麗とは思えない感情だ、のくせにアイツは私が怒りや憎しみを込めた目でギロリと睨むとクツクツと楽しそうにあざ笑うので、余計に私を苛立たせる原因となるのだ。ああ、思い出しただけでも苛々する。 ああ、苛々するわー……そう考えたとき、バタリとドアの閉まる音がした。 殺人鬼さんがこの部屋から出た音だった。 「何よ……さっきまで殺そうと、してたくせに」 興ざめだと私を嘲笑うかのように。勝手に私がそう感じただけだしそう解釈しただけだけれど。 殺人鬼さんに私は軽く、殺意が沸いた。ギロリとアイツにするみたく睨み付けた。 脳内でクツクツと嘲笑う、アイツの声がリピートし、私に背中を向ける殺人鬼さんの姿がアイツに重なった。 私の殺人鬼さんに対する第一印象は、お世辞にも良いとはいえないものだった。 その時、誰かが笑った気がした。けどきった気のせい。
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