1 君と出会った一日目

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まじ殺人鬼さんないわー、なんて軽口を叩ける余裕があるだけマシなのだろう。殺風景な四角い部屋の中で寝そべった。特に何か考えるわけでもなく寝そべれば楽になれる気がしたのだ、悪魔でも気がしただけであるけれど。どうせこんな何もない部屋ではやることすらないのだ、それにお腹は空いたけどここには何も食べるものなどないしドアにはご丁寧に鍵がかけられているし、ということで私に与えられた選択肢は三つだ。 一、暴れる 二、ぼっーとする 三、寝る 選択肢一、暴れる。駄目だな、これはなしだ、暴れたところでどうにかなるわけじゃないし自分から死に急ぐような真似はしない。選択肢二、ぼっーとする。もう既にぼっーとした後だ、ぼっーとして尚暇になったから考えているというのに。つまり消去法で三、寝る。そうだ、寝よう。ということで寝ることを決意した私。さっきの殺人鬼さんとのやり取りで、裏世界と表世界を入れ替わったはずみで、きっと両者であろう疲れをためていた私が眠るのは容易いことだった。そうして私の意識は遮断された。
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