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美月には抱き癖が付いて抱っこして居ないと泣く。 兎に角泣く。 生後一週間で泣いて布団からはみ出して額を襖に擦り付けるのは美月位だと思う。 その美月は言われた通り逆流症状が在った。 何度も泣きそうに成った。 ミルクの噴水、げっぷをさせて暫くして寝かせ、一瞬目を離した間に吐いたミルクに溺れて居たり、耳を妙に触り泣く。 真夜中にやって居る病院を探して医者に駆け込む事も在った。 医者は少しずつ弁が閉まると説明をしてくれたがミルクを吐いて育つのかと心配だったし、耳も気に成った。 そんな親の心配をよそに育つ美月は滑り台をハイハイで逆そうしながら口を曲げてミーンミンミーンっと蝉の真似をし ミルクを片手に、大好きなばいきんまんを振り回しながら吐く。 ベビーベットから出せと真夜中にガタガタ泣きながら揺らし、揺らした部分が外れ、下の階に迷惑を掛けると言う事も在った。 赤ん坊成りにやってしまった顔をする美月の顔は今でも思い出す度に笑ってしまう。 一歳に成る頃には吐くのも落ち着いてよたよた歩き回り、ママやパパ、自分成りの言葉で沢山お喋りをする女の子にすくすく育った。 美月も落ち着き丁度病気も緩和期に入り、穏やかに過ごして居た。 そして二人目の妊娠。 医者はため息を付きながらも許してくれた。 美月を可愛がる旦那は二人目も女の子が良いなんて言っていた。 でも、早々とエコー写真にどーんと男の子の印。 まぁキャッチボール何かも出来るしと…パチンコと同じ位、野球好きの旦那は言った。
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