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赤い涙
ああ…何か背中、ちょっと太って来ちゃったかな?
曇った鏡に映る、目を背けたくなるほど艶かしい自分の姿を見ながら
ゆっくりとゆっくりと、毛むくじゃらの体を這う。
明日エステ予約しよう…。
いつ頃からか
吐き気がするほどの屈辱的な行為も、
道端のごみを拾うほどの少しのストレスしか感じなくなった。
お金で身体を買いにくる男性も、本当は誰かに激しく必要とされたいんだ。
それが例え偽りでも。
私の偽りの愛を買いにくる男性を哀れにも、愛おしくも思う。
行為の間だけ、相手が望む言葉を沢山ささやいてあげる。惜しみなく。
「世界で一番あなたが好き。」
「今あなたとこうしてる瞬間が一番幸せ。」
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