僕とタローさんの日常

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『まぁ、坊っちゃんの努力も無ければ、こんな風にはなれてないだろうさ』 タローさんはそう言って、お気に入りの窓の側で丸くなりました。 赤毛のタローさんが丸くなると、大きなお稲荷さんみたいです。 珍しく誉めたものだから、タローさん自身も照れ臭かったみたいですね。 僕はタローさんが日向ぼっこをしてる姿が大好きです。 話せば父の話し方にソックリなオジサンですが、見た目はとても愛らしいのです。 次のお客様は、躾の相談の井上さんですね。 躾に関しては、ほとんどタローさんに頼らずにやれるので、タローさんも安心して日向ぼっこを楽しめます。 予約の時間までまだ少しあったので、僕は珈琲を入れ、読み途中だった新聞を広げました。
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