僕とタローさんの日常

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「なるほど。では診てみましょうね」 僕がそう言って立ち上がると、安部さんの奥さんは安心した様に、待合室のソファーに腰掛けました。 僕はバッハ君を連れて、診察室に入ります。 先生と呼ばれていたり、診察室があったりで勘違いされがちですが、ここは動物病院ではありません。 僕は動物のお医者様ではありません。 僕の仕事は、カウンセリングをしたり躾のお手伝いをしたりする事です。 もちろん犬専門ですよ。 犬と会話ができる能力を、最大限に活かしてやっています。 なので、普通の動物病院と違い、飼い主さんには待合室で待っていてもらうのです。 会話してるところを見られたら、僕は痛い人でしかありませんから。
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