68人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
風に運んでもらえばいい
ありふれた日常に潜む
ありふれた悪意
時間の隙間から
こぼれ堕ちる
黒いインクは
ただ染み付いて
剥がれない
何も語らない
語るのは
彼女の唇
どんなに愛を語っても
色褪せて見える
やがて黒いインクが
語りだす
もういいだろ!
ピシャリと
はねつけられた
セピアの愛は
行き場を失い
眠りに就く
薬まみれの
惰眠を貪り
夜になれば
眠れないと嘆き
月を呪う
誰かが狂っている
アタシかアナタか
都合よく世界を遮断して
脳の断面
取り調べ
話の辻褄はいよいよ
合わなくなる
愛がほしけりゃ
本気でおいで
セピアの愛に
彩りを
狂っているのは
お互い様だ
最初のコメントを投稿しよう!