菜の花の海

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確かに散った筈なのに あの日 菜の花の海へ 風に乗り 踊る様に消えた君 星屑程の 知識をひけらかし 媚びる姿が 小さくて 不幸に値札を 付けている 子犬の振りして 見上げても その瞳には 鋭利な刃物 ギラリと鈍い 光を宿す 在庫の切れた 不幸の種は どこで仕入れましょうか? お探しの種は 見つかりましたか? 菜の花の海に 消えていく 君にかける声は ないけれど 消えた振りして 僕の後ろを 歩くのはもう 止めてくれないか?
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