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場面が切り替わって、冬のミラノの街。
部長が住んでいた広いアパルトマンにあった付箋を剥して、デートした順に映像が進んでいく。
そして次に訪れたのは、同じく雪景色のパリ。
パリ支社の遠藤部長やみんなが大きく手を振って、クラッカーを鳴らしながら大歓迎ムードで映っている。
『おめでとう!』
『また遊びに来てね!』
みんなから1枚ずつ付箋を受け取って、見送られながら支社を出た。
美術館、セーヌ川のほとり、2人で行ったレストラン、シテ島の寺院内の狭い螺旋階段を上り、パリの街を見渡した遠くにはモンマルトルの丘。
田村さんに似ていると部長が言った、シメールも端に映っていた。
寺院の大きな鐘、ステンドグラス、バラ窓。
そして、私が住んでいたアパルトマンに着くと、冷蔵庫へ直行して瓶から付箋を剥し、壁に掛けられているコルクボードからたくさんの付箋を集めて、またシャルル・ド・ゴール空港へと戻ってきた。
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