ー私、遠藤 草汰は死にましたー

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喋る黒い子猫ちゃんでした☆ 「……って、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 (さっきは助けてくれてありがとーう!) 黒い子猫ちゃんは言葉とは真逆に礼儀正しく俺に小さな頭を下げた。 「…おい、どういうことだ。」 こんな可愛い猫を使ってまで俺を死んだ扱いにするかこいつは。 「フフフッ、そういうことです!」 心の声を読むんじゃない。 神ならプライバシーくらい守れ。 「はぁ…、んで?なんで俺は死んだんだよ?」 諦めて自称"神"が言う死んだって設定に乗ることにした。 「ではでは、回想シーンを…」 「「どうぞぉぉ!」」 神と黒猫は声を揃えて言っうと白いスクリーンが出てきた。 こいつら…台本でもあるのか?と思いつつ俺は映像を見た。 ─── 草汰は学校が終わり家に帰る途中だった。 いつもの道を歩き、いつもの曲がり角を曲がり、いつも通りに帰っていた。 帰り道に通る唯一の大通り。 ここは車の通りが多く信号が赤でいつも止まってイライラしていた。 しかし、その日は車の通りが少なく赤信号で渡ろうと考えた。 渡ろうとしたところ、反対側の歩道から一匹の黒い子猫が見えた。 その猫を見ていると、曲がり角から一台のトラックが曲がってきた。 それと同じタイミングで猫が道路を渡ろうとした、それにトラックの運転手が気づいたのか、クラクションを鳴らす。 しかし、猫は逃げるどころかその場に止まってしまった。 猫とトラックの間は迫りつつある、もう猫が逃げようとしてもきっと間に合わないだろう。 草汰はそれに気づき、猫を助けようとして走った。 猫とトラックの間はもうすぐそばだった。 間に合わないと思い、草汰は猫に飛びかかり、猫を抱き抱え、 次の瞬間…… ドンッ!!!! 草汰はトラックに衝突され、吹っ飛ばされた。 しかし、その時も猫を守るように優しく抱き抱えていた。 その後、草汰は病院に搬送された。 しかし、搬送されて間もなく、草汰は息を引き取った。 ───
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