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メノーア『貴方には、その一回がどれほど大事かを、知って貰う為の試験…。』
メノーア『戦士足る者、たった一回の攻撃で致命傷を受けたら…?…たった一回の攻撃で死んじゃったら…?』
メノーア『どうしようもないもの…うふふ……。』
意味深に笑みを浮かべるメノーア、その笑みでハルトの緊張感は増して行く。
イルネス『…メノーア、生徒になろうとするものに圧力を掛けるな…。』
メノーア『うふふ、ごめんなさぁい?』
ハルト『……わかりました。勉強、させて頂きます。』
イルネス『良い心掛けだ…では、早速始めよう。気を楽にして自分の技と型を俺に見せてみろ。』
キィン……
イルネスは腰の鞘より、鉄製の剣を引き抜く。ハルトと似たり寄ったりの剣。
ハルト『はいっ…宜しくお願いしますっ…!』
同じく、ハルトも剣を引き抜き、前方向けて剣を構える。
ハルト『――行きます!』
掛け声と共に身体を低くし、一歩、二歩で間合いを詰めて切迫。
ヒュッ…!
横へと剣を落とし、横薙ぎ――思わせての、
フォン…!
そこから踏み込むと共に勢い付けてのイルネスへと鋭い突きを放つ。
イルネス『むっ…。』
イルネスは剣の平にて、ハルトの剣の切っ先を、捉えて止め――
ハルト『はぁあッ!』
止める間もなく、鋭い突きの嵐。
キキキキッ!キンッ!
イルネスは難なくその突きの嵐を金属音が響く中、流して――
イルネス『ふんッ!』
キィンッ!
突きの最中、タイミングを合わせ逆袈裟に振り上げ、ハルトの頭上へと腕ごと払い上げる。
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