二章『最初の試練と試験』

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ハルト『…っ!』 次の動作を悟られぬよう、右往左往、ジグザグに駆けだす。 メノーア『………』 対する彼女は突っ立ったままで、ハルトの動きを視界に映したまま。 舐められてるわけじゃない…絶対的な自信があるからだ…なら! ハルト『っ…はッ!』 彼女の数歩手前、剣を振るうのではなく――彼女に向けての投擲。 ヒュゥンッ! 避けるなら、動きを予想して…! ハルト『!?』 ふと、先程まで自身の目の前、視界に映していた彼女の姿が消える。 ギィンッ! 投擲した剣が無情にも金属音と共に、壁に突き刺さる。 ハルト『…え?』 周りに視線を走らせ見回す――そして彼の背後。 メノーア『ふふっ……。』 ハルト『………』 そんな、あの距離で、剣を避けるだけじゃなく…俺の背後に…? メノーア『どう避けたか分からないって顔をしてるわねぇ…。』 ハルト『……っ。』 メノーア『でも、残念…今の貴方じゃあまだ理解も行動も出来ないわぁ…。』 何かを孕んだような、意味深な言葉と笑みをハルトに向ける。 ハルト『…そんなこと…。』 メノーア『理解出来るのかしらぁ…?』 彼女が再び視界から消える。 そして、声は彼の耳元、声と息が吹き掛かるような至近距離。 ハルト『っ!?』 慌てて距離を取り、彼女へと向き直る。 そんな…いったい、何が起きてるんだ…。 メノーア『これは…高速移動技術、“歩法”と言う技。』 ハルト『ほ、ほう…?』 メノーア『…まだ、貴方には早いわぁ…だから、今の貴方では私の動きは捉えられないわぁ…。』 ハルト『…ッ…やってみなきゃ、分からないよッ!』
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