二章『最初の試練と試験』

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ハルト『はあ…はあ…。』 人気の無い長い通路を走る。 そろそろ大丈夫か…? ハルト『は、っ…いったい、何なんだよ…誰も居ないし…訳分かんない…。』 通路の壁に背中を預け、乱れた息を整える。 何かが可笑しい――が、理由は分からない。 ハルト『くそ…これじゃあ、入校出来ない…何とかしなきゃ――』 ふと、ハルトは視線を来た道に映す。 コツ、コツ――。 聞こえるのは足音。 人?やったッ!――、これでこの状況から―― ハルト『……いや、違う。』 多分、これは―― ハルト『ッ…!』 ハルトは駆け出す。通路の先へ。勿論、足音の正体を察しての判断だ。 だが、しかし―― 『……袋の鼠。』 通路に反響する少女の声。知らずに、彼は追い詰められる。 通路の先には開けた広場――花壇には花が植えられ、噴水とベンチも設置されている。 ハルト『…中庭、かな…。』 ハルトは一瞬、安堵の表情を浮かべるも途端に一変する。 ガラガラ!ガシャン!! 中庭から通路に通じる道が、堅牢な鋼で出来た門が落ちる事により封鎖される。 ハルト『え、あ…!?』 訳も分からずハルトは困惑する――そしてその遥か頭上。『ここまでだな、賊め…この学校に入ったことを後悔するんだな。』 『…後悔。』 『………』 ハルトは見上げる、高い時計塔の屋根に佇むいかにもな三人の姿を目に映す。 ハルト『ぞ、賊…!?ち、違っ…オレは…っ。』 『問題無用っ、潔く死ね!』 『死ね。』 『はぁ……何やってんだろ…。』 『良いからちょっとは乗れよ――よし、良いぞ…やれ、ノア。』 『ラジャー。』 ノアと呼ばれる少女、時計塔より弓を構え、携えた矢を放つ。 ノア『ディスパーションアロー。』 パァアンッ! 少女の声と共に、矢が破裂し、散る。 先程の雨のような矢が、再び彼目掛け空気を裂く音を響かせ降り注ぐ。 ハルト『ッ……!?』 どう、する…このままだと串刺しだぞ…っ。 ハルト『南無三っ…!』 ハルトは咄嗟に噴水に向けて駆ける。そして―― バチャアン! カカカカッ!カッ!! ハルトが噴水に飛び込むと同時、雨のような矢が中庭に降り注ぐ。 『……中々器用なことするじゃねえか。』 ノア『…ダメージの半減。』 『あれまともに食らったら流石に痛いわよ…。』 ハルトは噴水に飛び込み、矢より受けるダメージを半減――
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