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バーチャ『ハッ――ただのマザコン野郎かよ…こりゃ期待出来ねぇかも、なぁッ!』
バーチャは力強く一歩踏み出し、横薙ぎに、大剣を振るう。
ブォンッ!
風圧で空を斬る音が響く――
ハルト『お前に、何が分かるんだよッ…!』
ハルトは横薙ぎに払われる大剣を、
ギィインッ!
剣を逆袈裟に構え、横から薙がれる大剣を受け止める。
バーチャ『ただのマザコン野郎に構ってる暇ァなんかねえんだよッ!』
そのまま互いに一歩踏み出し、金属音の響く、鍔迫り合い。
ギギギギ…ッ!
ハルト『なんだと…ッ…言ったな…っ!』
怒りも心頭のハルト、鍔迫り合いの最中、バーチャを後方へと力押し――
バーチャ『ぬ、ぅ……!』
コイツ―…何だ…!
押されるバーチャ、そしてハルト、勢い任せに押し出し、間髪無く、回し蹴り。
ドスッ…!
バーチャ『う、ぉ……!?』
予期せぬ事に、大剣の切っ先を地面に落とし、前屈み――。
ハルト『ちょっとは、人の話を…!』
隙有りとばかりに目の前、身体に下に潜り込み。
ハルト『聞けよッ!!』
どごッ…!
飛び上がるバネのようにバーチャの顎目掛けての拳――それもアッパーブロー…クリーンヒット。
バーチャ『――ッ!?』
バーチャはそのまま、後ろへと倒れ、失神。
ハルト『…母さんを悪く言うからだ…。』
ハルトは僅か息を切らして気絶するバーチャを見下ろす――
ノア『そこまで。』
ふと、背後より聞こえるのは先程の三人の一人、小柄なノアと呼ばれる少女。
ハルト『…っ!』
ハルトは自身の背後を振り返る。
いつの間に――言葉を出そうとするもノアの声に遮られる。
ノア『…ごめんなさい、これは試練なの。』
ハルト『……試練?』
どういうことだ…ハルトは首を傾ける。
『これはね、言わば入校試練…と言っても試練なんてコロコロ変わるし、私は反対したんだけれどね。』
もう一人の赤髪の少女が二人の元に近寄る。
ハルト『試練って……え?』
『まあ、そう言うこと…にしても、中々やるじゃない。油断していたとは言え…バーチャを倒すなんて……。』
地面に倒れ気絶するバーチャの頬を遠慮無しにつねる赤髪の少女。
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