二章『最初の試練と試験』

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ノア『…保健室に運ぶ、キリナ、お願い。』 キリナ『はいはい…っと。』 キリナと呼ばれた少女はおもむろに言葉を紡ぐ。 キリナ『か弱き者に一陣の風を――フロート。』 気絶するバーチャの身体がゆっくりと浮き上がる。 ハルト『…ま、魔法…?』 “魔法”または魔術と呼ばれる技法。魔法を使えるものは多くはなく、その使い勝手と戦闘に置ける多大な威力の功績は大きい、故に魔法使い、魔術士は剣士、戦士より優遇されている。 キリナ『…私はコイツを保健室に運んで来るから…そうね…どうする、ノア。』 ノア『…とりあえず、学園長室で待ってもらった方が良い。』 ハルト『え、じゃあ…この学校に入れるって。』 キリナ『いいえ、まだ試験が終わっていないわ。』 ハルト『し、試験って…さっき終わったんじゃ…。』 キリナ『あれは、試練。試験は別にあるのよ…そう簡単にこの学校には入れないわ…ま、精々頑張ってみたら?』 キリナはふん、と小さく鼻を鳴らす。 ――感じの悪い女の子だなぁ…。 とは思っても口にはしない。 ノア『…学園長で待ってて。』 ハルト『あ、ああ…うん。』 …何か、ちょっと後悔してるかも…心の中で小さく。 ――――― ハルト『………』 学園長室を探すまで、少一時間掛かったことはハルトしか知らない。 やっとこさ、学園長室を見付けてうなだれる。 ハルト『…広過ぎだって、本当に』 ――――― ハルト『……ふう。』 …とりあえず、学園長とは話せたけれど…あの、試験って何だろう。 筆記?…いやいや、勇者になるのにマニュアル的な筆記を求める筈が無いし…。 学園長と話し。 『これから君には試験を受けて貰う。先ずはこの建物の地下に行くと良い。説明は別の者にして貰うからの。』 と、言われ、地下に続く薄暗い階段を下りている最中だ。
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