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「やっぱり仲良いね、二人とも」
「「ど・こ・ が・だ(よ)!」」
信じられないと言わんばかりにリナに反論するも、タイミングはピッタリ重なり中身もほぼ同じ。クスクスと笑うリナも相まって、具合が悪くなったワタルとシノンは一時休戦した。
そこへ、インターホンが鳴る。
「……? 他のクラスメイトも来るのか?」
今シノンの部屋にいるのはC組代表メンバーの九人だ。いくら寮の部屋が規格外に広いからといって、流石にこれ以上増えると手狭になってしまう。
「アンタ聞いてないの? 今日はあと一人呼んでるのよ」
近くにいたアイリスが玄関まで赴き、扉を開けた。靴を脱ぎっぱなしでリビングに上がってくるその人は、
「──ゼル先生」
「よ。やってるかお前ら」
片手を上げて入ってきたのは、怠慢担任だった。シャツは第二ボタンまで開かれて、そこから鍛え上げられた肉体が覗く。夏バテか、いつものダルいぜオーラに拍車が掛かっていた。
「なんだ。まだ始まってねえのか」
「先生待ちですよ。三十分くらい遅刻してくると踏んでたんですが、時間内とは予想外でした」
「失礼だなラーサー。この俺が時間を守らなかったことがあったか?」
「「「どの口が言うんですか」」」
「息合ってるじゃねえか。結構結構──お、うまそうだな」
九人分のシンクロ突っ込みを軽く流して、ゼルはテーブルの料理に目を輝かせる。間違いなくこれが目的だ。
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