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ささやか、というのは語弊があった気がする。
宴は終始カオスだった。
「待てやノエル! テメェ食い過ぎだっつの!」
「そっちも人のこと言えないでしょレウス! その取り皿に山積みされた肉を処理してから食べなさいよ!」
「ちょ……ダイ! これ以上はほんとに無理ムグ」
「良いから食え食え。ヒスタ普段から全然食わねえんだから」
「ダイ君ストップ! そんなに食べ物押し込んだらヒスタ君窒息しちゃう!」
「ふっふっふ。そろそろここで俺様秘蔵のこの酒を──」
「トゥグム先生。十八歳未満の飲酒は法律で認められていませんが……学園に知らせても?」
「後生だ頼む……! 俺はもう少し生きていたいんだ! そしてライフルの銃口をこっちに向けるのは止めてくれ」
「……凄いな」
キッチンから見た彼らの様子はその一言に集約された。外側から見てみると騒ぎっぷりに圧倒される。シノンの隣の部屋はワタルだから良いとして、反対側の部屋の人がストレスにならないか心配になってきた。
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