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「ほらほら。二人とも手を休めないでください。まだ片付けは終わっていないんですから」
「最近思うんだけどさラーサー、俺お前からシバいた方が身の安全確保できそうなんだよ」
「お相手してほしいなら付き合いますが?」
「……いや、遠慮しとく」
寒気がするほどの完璧な笑顔に、ワタルは白旗を挙げた。挑めば最後、社会的に抹殺されそうだった。そうでなくとも間違いなく不利な状況になる。
数分かけてざっと見た感じのゴミや汚れを取り除き、掃除を終えた九人は今一度集合した。ラーサーが「今日はお疲れ様でした」と改めて労いの言葉をかけて手を叩くと、表情を引き締めて言った。
「さて、クラスマッチは終わりましたが、そうも言ってられません。残りは五日です。他の方より条件は厳しいですが、期末テストを頑張りましょう」
空気が、凍りついた。
「「……へ?」」
反応は三パターン。
平然とするラーサーとリナとアイリス。目をそらしていた現実に引き戻されたかのようにうんざりした表情のノエルとシノンとヒスタ。そして何のことか分かっていないレウスとダイ、そしてワタル。
「……あの、まさかとは思いますが 」
見開かれた緑色の瞳が三人に向けられる。信じられないものを見たようだった。
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