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チャイム代わりの鐘の音が、学舎に鳴り響き、ワタルは走らせていた鉛筆を置いた。
「はーい。では回収なのですよ~」
見た目十歳前後のロリ教師であるサーシャが指を鳴らすと、教室内に風が吹いた。生徒全員の机におかれた用紙が舞い上がり、教卓の上に積み重なっていく。
「ま、待ってください! あと十秒で書き終わるんすよ!」
「ダーメです。時間は時間なのですよ」
前の席でレウスが悲鳴を上げるも虚しく、答案はサーシャの手に渡った。全員分を回収し終えた魔法基礎学担当は、教卓に立つと天真爛漫な笑みを浮かべていう。
「それでは、これで期末試験は終わりなのですっ。今日は皆さん、ゆっくりと羽を休めてくださいね」
積み上がった答案を転送魔法で消し去り、サーシャは教室から出ていった。途端に騒がしくなるクラスメイト。
「ん~。やった終わった」
「お疲れ様です。調子はいかがですか?」
「とりあえず赤点は免れそうだな。ラーサーは?」
「まあまあ、といったところでしょうかね」
「そういう奴に限って出来てるもんだぜ」
隣に座るラーサーと笑いあう。解放感に突き動かされるまま、ワタルは大きく伸びをした。
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