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「全くだな。この暑さは本気でヤバい」
「僕はもう水筒が空ですよ。……ところで、レウス君大丈夫ですか? もしかして熱中症に……」
「いや、こいつのことだし心配ないと思うんだけどな。……よし、ちょっと水筒貸してくれ」
「? 構いませんが、中身は殆どありませんよ」
「いいからいいから」
ラーサーに水筒を借りて、中を見る。言っていた通り、飲めるほどの量は無いが、これで充分だ。
右手のひらに水を乗せ、左手でレウスの制服の襟首を引っ張る。開いたスペースに、冷えきった水を投入した。
「ひょわぁぁぁぁっ!!!」
奇声を上げて直立不動の体勢をとるクラスメイト。すぐさまこちらを振り向いた、その心底驚いたような表情にワタルは笑顔で、
「おはよう」
「おはようじゃねぇよ! 心臓口から飛び出るかと思ったわ」
「元気そうですね。良かったです」
「ラーサーもちっとは止めてくれよ!」
「僕も協力しましたし、それは無理ですね」
「ってお前もかい!」
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