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「毎度毎度うるさいわねアンタら」
「何かあったの?」
レウスの悲鳴を聞きつけて、二人の女子生徒がやって来た。ただ歩くだけで、男子の視線は彼女達に惹き付けられる。
この国──ノンシュタイン王国の大貴族の令嬢リナ=ベルナータと、特殊な質の魔力を持つ炎の魔導士シノン=クロースのコンビだ。
二人はワタルと課外授業で同じチームであり、実力もかなりのもの。その上どちらも学年で指折りの美少女(片方は性格にやや難あり)である。とはいえ、蒸し風呂と化した教室で、顔に疲労の色があった。
レウスを指差して「へばってたから元気づけた」と説明する。どこがだよ、と誰かが言ったが無視した。そこへ、
「やー! 皆集まってなにしてんの?」
「ひゃわ!!」
陰鬱な空気を吹き飛ばす快活な声とともに、ノエルがリナに飛びついてきた。このうだるような暑さをも、彼女はものともしていない。この小柄な体躯のどこにそんなエネルギーがあるのだろうかと不思議に思う。
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