SUMMER SCHOOL DAYS

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現れたのは全身緑色のぬいぐるみのような女の子──正確には、そう見える魔力の塊。その正体は、風の精霊シルフだ。 直後に発生する乱気流。暴風は一点に収束し、ゼルへ放たれた。それは猛スピードで進む、無色の砲弾だ。 「【地殻城壁(ランパート・ガイア)】」 ゼルが詠唱破棄で発動した上級魔法の岩壁が、シルフの一撃を防いだ。空間そのものを揺らすような大音量が鳴り響く。風が地面の砂を巻き上げて、数十センチ先が見えなくなった。 再度、大剣を振るう。攻撃ではなく、辺りの砂塵を払う為の動作。砂塵は観客席まで追いやられ、視界はクリアになる。 ガキン! と金属音。 「げ」 「タイミングはいいが、バレバレだ」 雷脚で速度が乗ったワタルの袈裟斬りが、大剣の腹で止められる。続いて二度三度と斬撃を繰り出すも、その剣は掠りもしない。
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